2010年12月アーカイブ


このように考えると、会話というのは単に声帯から声を出すだけのことではなくて、そのひとの全体のあり方にかかわるものであることがはっきりします。


したがって言語障害の指導には、話し方の練習をさせる前の段階として、その子どもの発達を促すことが重要であり、音声言語の病理や聴覚の性質、さらに子どもの精神病理や心理など多方面からアブローチしないと不十分です。


次に言語障害のいろいろな場合について考えてみましょう。


話というのは本来、声を出して相手とかかわる、気持を通わせるものであると考えるならば、生まれたばかりで大声で泣いていることも感情の表出であり、周囲のひとがたとえ子ともがその内容を理解しなくても話しかけ、抱き、あやすことはすでに話をする場面であると考えてよいでしょう。


新生児も個人差があるので独特なひととのかかわりをしていくのが会話の基礎となります。


このようにみると3、4歳になって話し方がまずいとか話ができないというけれども、それは急におこってきた問題ではないのです。


新生児のときからの親とのかかわりが話しの発生に関係しています。



言葉を話すためには口だけでなくて耳もきこえねばならないし、頭で内容を理解せねばなりません。


会話が成立するためにはいろいろなすじ道があります。


そのすじ道をたどってみると、まず耳できく、第2に聞いたことを脳に伝える、第3に頭で内容を整理・総合したうえで返答を考え、第4に発声管を通して口に出します。


さらに第5に自分で口に出したことをフィードバックして自分の耳で確認することになります。


この5つのプロセスのどこかに支障があると十分に話ができないのです。


第1は聴覚障害、第2は音声を脳に伝達する経路、第3は知能・情緒、第4は言語の理解と表現、第5は音の再生の各々の障害というわけです。


さらに、会話が成立するためには、このような個体の側の問題だけでなく、会話の相手との問に情報伝達のための意志疎通が必要です。


すなわち、他人とのかかわり方までが問題になってきます。

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