1917年のロシア革命以後、赤化の恐怖は世界中に蔓延していましたし・・・


1930年代にはそれに加えてファシズムの脅威が現実のものとなっていました。


そうした政治的な脅威に対して、アメリカは「豊かさ」、つまり、「20世紀都市の楽園」を積極的に宣伝することによって対抗しようとしていました。


この博覧会のときに製作されたGMの広報映画「トゥー・ニュー・ホライゾンズ(新しい地平へ)」にみる「楽園」の姿は、すべてモータリゼーションを前提にしたもの。


速度と移動を担う自動車をアメリカ国民がすべて所有できる社会体制11資本主義を謳歌し、そこへの参加を呼びかけています。


わたしは、かつてジョン・フォード監督の映画「怒りの葡萄」(1940年、ヘンリー・フォンダ主演)を見たとき・・・


1930年代後半の砂嵐に追われてオクラホマからカリフォルニアをめざす貧しい農民が、荷台に何家族も集合しているとはいえ、みんなトラックを持っているのに驚かされました。



20世紀前半のパワーゲームとしての「シヴィライゼーション」の勝者は、それまで世界を牛耳ってきたヨーロッパでもなく、また、イスラムでも、アジアでもなかったのです。


・・・いうまでもなく、「近代の象徴」を修得して、第一次大戦後のヨーロッパの疲弊を横目に圧倒的な工業力のもとに機械化の流れに乗せたアメリカでした。


そして、アメリカは、大衆文化の「楽園」を築き上げました。


その謳歌の様は、ニューヨークで1939年から1940年にかけて開催された「ニューヨーク世界フェア」が端的に物語っています。


この博覧会のテーマは、「明日の世界を築く」で、それに向けた様々な企業展示が行われました。


GMによる「フォーチュラマ(フューチャー=未来のジオラマの意)」などは、ひとつにはアメリカの工業主義がもたらす明るい未来を・・・


もうひとつには、そうした活力ある工業化のバヅクグラウンドになっている民主主義社会をアピールする意図のもとに作成されました。


エンパイア・ステート・ビルの頃になると、ただでさえ薄暗いビルの谷間の環境をさらに悪化させるとして、ニューヨークでは「高架鉄道」が概ね撤去され・・・


「地下鉄の時代」が到来しました。


デューク・エリントン楽団のテーマ曲「A列車で行こう」(1941年)は、ハーレムを通る地下鉄のA路線を題材にしています。


それは20世紀都市ニューヨーク完成への賛歌のひとつとして聞くべきでしょう。


天を突く高さの「容器」としての都市が抱える人口を効率的に輸送するシステムの完成をこの曲は踏まえているのです。


エンパイア・ステート・ビルを完成させた「近代の象徴」をマスターした国なら、地下鉄の建設がそれほど難事ではなかったとの想像は誰にでも可能でしょう。

自分の演じた役割について考えたことがなければ、いまこそ考えてみましょう。


わたしにとっては、(わたしを支えてくれた有能なセラピストの助けを借りて)自分の責任を突き止め、それを認めたことが重要なステップとなりました。


わたしは、前夫の煮え切らない態度を黙認したから、子どもが産めなくなったのだと気づきました。


・・・その気になれば、子どもが欲しいといい張ることもできたのです。


夫に内緒で避妊薬を飲むのをやめることもできたのです。


(パートナーが子どもを欲しがっていない場合、そうする女性はたくさんいます)。


夫と別れることもできたのです。


・・でも、どれ一つしませんでした。


そして、故意ではないにしても、子どもが産めなくなる一因をつくったのです。


その後、不妊治療がうまくいかず、いまの夫との間に子どもがつくれなくなったとき・・・


いつまでも不確かな状態に振り回され、希望を絶たれることに耐えるエネルギーも意志もなかったので、養子を取らないと決めました。


理不尽な生命線ですが、生命線には違いありません。


あなたが彼女のように自責の念を利用しているとしたら、自責の念から解放されるために、つらいでしょうが、子どもが産めるという希望を断ち切る必要があるでしょう。


自分を責めて希望をつないでも、過去には戻れないのです。


偽りの希望にしがみついていたら、現在や未来を豊かにすることはできません。


わたしたちの大半が、子どもがいない状況に至るまでに何かしら役割を演じています。


わたしは紛れもなく、ある役割を演じました。


あなたも、自分の胸に手を当て、どんな生き方をしてきたか見直してみましょう。


子どもができなくなる一因を、自分の決断でつくってしまったのだと気づくかもしれません。


中絶した。


子どもを欲しがらないパートナーと一緒になることを選んだ。


シングルマザーにはなるまいと決めた。


養子を取るまいと決めた等々・・・。


自分の演じた役割を突き止めれば、他人を責める気がしなくなります。


何度も流産したある女性は、流産は自分に落ち度があったからだと自分を責めつづけています。


彼女は自分にどんな落ち度があったのかわからず・・・


ひょっとしたら、気持ちにゆとりがなかったのかもしれない、歩くスピードが速すぎたのかもしれない、セックスすべきじゃなかったのかもしれないなどと思っているのです。


わたしと彼女は、彼女自身が理不尽とわかっているのに、なぜ自責の念がなかなか消えないのか探ってみました。


最後に彼女は


「どうしてわたしが自分を責めつづけるのかわかりました」


・・・と、声をひそめていいました。


「もしわたしに落ち度があったのなら、その落ち度を見つけて直せば、わたしは赤ちゃんが産めるんです。


もしわたしに落ち度がなければ、わたしに責任がなければ、望みが消えてしまいます。


絶対に赤ちゃんが産めないという事実を認めざるをえないんです」


彼女が自責の念にしがみつくのも無理ありません。


・・・それは望みをつなぐ生命線なのです。


わたしたちがだれかを責めるのは、子どもがいなくて腹立たしいからです。


怒りは標的を必要とし、標的を見つけます。


怒りのぶつけどころがあっても歯がゆいのに、ぶつけどころがなかったらますます歯がゆくなります。


怒りの標的ができれば、いやな状況が耐えやすくなります。


だれを責めればいいのかわかると、これは義憤なのだと怒りを正当化することができます。


非難の対象を絞れば、せめて一瞬だけでも、喪失感と悲しみを忘れていることができるのです。


わたしたちがだれかを責める第二の理由は、問題の原因がわかれば問題が解決しやすいと、一般に信じられているからです。


わたしたちに子どもができなかった具体的ですぐに確認できる理由を突き止めれば、解決策が見つかり、状況を逆転させる可能性が濃厚になります。


いえ、わたしたちの愚かな心が、せめてそう信じたいと思っているのです。


価値観の違いもあるでしょうが豊かさとは、


1.健康・・・


「起きて働く果報者」ということばがありますが、改めて説くまでもなく健康は人間の幸せの根源です。


総理府の「高齢期のライフスタイルに関する世論調査」(平成元年9月調査)で「自分の高齢期について主に考えていること」の第一位は「自分の健康・医療・介護」で80%の人が高い関心を寄せています。


2.経済力・・・


人々の求めている経済力は安定した収入、生活に不安のない収入です。


3.時間・・・


豊かさとは、働きづめで働き疲れるとウサギ小屋に帰ってインスタント食品をほおばって寝ることではありません。


せめて年間1600時間労働になれば人間らしい余裕の持てる時間を過ごせるでしょう。


4.精神的満足・・・


家族との団らんをはじめ自分の趣味や教養を身につけ、精神的に充実した生活を送りたい。


・・・以上4項目がこれからの豊かさのバロメーターではないか、と考えます。



「豊かさが必然的にもたらすはずの落ちついた安堵の情感や人生を味わうゆとりは、どこへいってしまったのでしょう。


本能的に自然に湧き出るはずの他者への思いやりや共感などは、金持ち日本の社会から日に日に姿を消していくように思えてなりません。」


・・・彼女は豊かさへの道を踏み間違えた日本を指摘しています。


また『国民生活白書』(平成2年版)を見ると・・・


最近の国民生活の状態は私的消費水準の充実に比較して、社会的消費水準がやや立ち遅れている面があることを指摘しています。


具体的には中高年齢者の老後の不安、大都市圏における住宅問題や住環境の貧しさ、都市環境問題など多くの問題があります。


こうした問題解決のために、日本の高い貯蓄率をどのように使っていくか問題提起をしています。


豊かさをめぐって代表的な視点を紹介してきましたが、これからの豊かさとはいったい何でしょうか。


・・・ここ10年、時代の流れは物の豊かさから心の豊かさつまり精神的な充足感へと変わりつつあります。




前回からの続きです。


・・・



「しかし、人間の生活にとってのカネとモノは、本来、生活に必要なだけあればよいのです。


人生にとってカネは手段であり目的ではありません。


家族や愛する者との健康で楽しい生活。


趣味、生きがいのある仕事。


人生の充実感、無目的な友情、自然とともにある安らぎ。


それらが充たされれば、限りなく財テクやマネーゲームに目を血走らせる必要はないはずなのです。


資本の求める目的と、生活の求める目的は違っていて当りまえです。


それなのに、企業の投資熱に感染したかのように、株の売り買いや、リゾート地やワンルーム・マンションへの投資・・・


あげくのはては教育も投資、つきあいも投資、お中元やお歳暮や冠婚葬祭も投資、と計算するのが社会の風潮になってしまっているのはなぜでしょうか。


子どもたちまで、損することには手を出さず、弱者をかばうこともしません。」



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